Wing(2600) 憲法改正は9条1項の平和主義を守り、2項「非武装」のみ撤廃で良い

 憲法9条1項は積極的平和主義を述べており、我が国の歴史伝統に通ずる。それを希求するためにも、世界の平和を守る武力が必要であり、9条2項を変更すべし。

画像
image by Wikimedia Commons



 朝日新聞の世論調査で憲法改正賛成が多数を占めた。

__________
≪憲法改正への賛否について聞いたところ、「賛成」「どちらかと言えば賛成」の賛成派が42%、「どちらとも言えない」の中立派が33%、「どちらかと言えば反対」「反対」の反対派が25%だった≫・・・

しかも同じ世論調査で改憲賛成派の多くがまず第一に憲法9条の改正を求めるという結果が出ていたのだ。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(古森義久「朝日新聞が戸惑う『改憲賛成』圧倒多数」、Yahoo!ニュース、http://bit.ly/2cNuFg8 )

朝日の読者とは言え、チャイナの露骨な南シナ海侵出は目に余ったのだろう。問題は、憲法9条をどう変えるかだ。

 小川榮太郎氏は、次のように述べる。

__________
 そもそも平和主義は、日本の国体です。出雲の国譲りの神話では、旧勢力を出雲に封じ込めますが、奴隷状態に置いたり、滅亡させたりしない。徳で慰撫し、鎮魂する。初代神武天皇も、矛を止めるという神武威を表しています。

 明治以降も、開戦の詔勅には「平和」「安定」といった言葉が必ず入ります。欧米の戦争は最近でさえ「敵に呪いあれ」とか「神の裁きが下る」と宣言して始まりますが、我が国は敵を敵として叩きのめすという思想風土・政治風土がない。

 平和主義は皇祖皇宗の国是であり、国風なのです。戦後の無思考な平和主義ではなく、この「国是としての平和主義」を私たちは取り戻していくべきだと思います。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

(小川榮太郎「戦後七十年ー平和主義を問い直す 日本は大国であることを引き受けよ」、「祖国と青年」H2707、http://bit.ly/2cNvC7X

 そして、9条1項の平和条項は守り、2項の非武装条項を変えることを提唱する。

 この点については、長谷川三千子氏の論考に詳しい。
(長谷川三千子「憲法九条を解剖する」、『祖国と青年』H2704、http://bit.ly/2cNx6PL

要約すれば、

(1)一項は「積極的平和貢献」、そのためには軍事力が必要

「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し」
 この第9条1項は決して自衛権、自衛のための戦争を放棄しているのではないということ。さらに、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求するためには、しっかりとした軍事力を持ち、国際的不正義に対して自ら戦う決意を持たなければいけないということ。
 この第九条1項は、まさに安倍総理が主張している「積極的平和貢献」そのもの。

(2)2項の非武装を日本だけが守ったら戦争になる

「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」
 全世界が戦争の権利を持ち、軍事力を持っているところに、ある地域だけ完全に軍事力ゼロとなったら、一体どういうことが起こるか。第九条一項を文字通りに日本が守ったら、平和条項ではなく、戦争条項になるのです。

(3)9条は2項だけを取り除けば良い

 憲法第9条1項は私たちが胸を張って使えるものになっていて、上手に2項だけ取り除けるようになっています。この2項を取り除けば、日本は国際社会の中で平和国家としてきちんとやっていけるのです。

この記事へのトラックバック