Wing2664 『歴史通』4月号掲載論文:「自虐史観」歴史教科書は「シベリア強制連行」を黙殺!」

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(伊勢雅臣)ワック社の『歴史通』4月号に、拙論「『自虐史観』歴史教科書は『シベリア強制連行』を黙殺!」が掲載されています。その冒頭の一節を転載させていただきます。全文は同誌をご覧下さい。「シベリア強制連行」に関して、中学歴史教科書をすべて比較評価してみると、驚くべき違いがありました。
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■シべリア抑留を書かない!?

 教科書問題に詳しい知人から「シべリア抑留を書いていない歴史教科書がある」と聞いて「まさか」と思った。定説では六十万人もの目本人が強制連行され、六万人以上もの人が犠牲になった重大事件である。犠牲者数では広島・長崎、東京大空襲に次ぐ規模の戦争犯罪ではないか。

 筆者の父親も六年ほどシべリアで強制労働に従事させられ、幸運にも何とか生き残って帰国できた。二十五年ほど前、筆者が欧州に向かう飛行機から初めてシぺリアを見た時には、地平線まで続く真っ白な大雪原に、うねうねと蛇行する凍結した大河が陽の光を反射して鈍く光っており、「親父はこんな所で六年も生き延びたのか」と胸の詰まる思いがした。

祖母によれば、戦後何年も経つて、もうシべリアで死んだものと諦めていたそうだ。何とか生き残って帰れた人々はまだ良いが、遂に帰れなかった抑留者が六万人以上もいた。そうした人々の遺族が、自分たちの悲劇を無視している歴史教科書があると知ったら、どのような思いをされるだろうか。

 気になって、各社の中学歴史教科書がシべリア抑留についてどう記述しているのか、比較してみたのが次頁の表1(本稿では割愛、『歴史通』をご覧ください)である。シべリア抑留を書いていないのは学び舎だけで、他社はすべて一応の記述がなされているので、やや安心した。

 この特異な教科書に関しては、「WiLL」二〇一六年六月号に水間政憲氏が「エリート校-麻布・慶應・灘が採用したトンデモ歴史教科書」と題して論評している。水間氏が「その内容たるや、日本罪悪史観に満ちた東京書籍や教育出版等の歴史教科書が普通の教科書に思えてくるほどです」と言われるのも、表1を見れば領ける。

 この教科書でどんなトンデモ記述があるかを一点だけ紹介しておくと、終戦後の「帰れなぃ人々」と題した項目で、以下のように書く。

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 一方、日本にいた朝鮮人は、帰国しようといっせいに博多(福岡県)や下関(山ロ県)などの港につめかけました。植民地支配によって生活が苦しくなり、朝鮮から日本に渡ってきた人たちや、炭鉱などに強制連行されてきたりした人たちです。しかし、日本側の船の手配はすすまず、港は人びとであふれました。
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「朝鮮から日本に渡つてきた人たち」とは、内地での日本人並みの給料を求めて出稼ぎにきた人々である。「炭鉱などに強制連行されてきたりした人たち」とは、朝鮮人で徴用(国民に対する勤労動員であって、強制連行ではない)された者で、外務省は二百四十五名と公表している。

日本人六十万人の強制連行は點殺しておいて、こういう人々で「港は人びとであふれました」と、さも大事件のように描くのは確信犯的なダブル・スタンダードだ。この教科書とそれを採択した左巻き教師の洗脳からわが子を護りたかったら、本編で紹介する“普通の教科書”の中から、これはと思うものを選び、セカンド・オピニオンとしてあてがうことをお勧めしたい。

(以下、続く。『歴史通』4月号をご覧下さい)


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