JOG(1450) 明治日本の奇跡を実現した先人たち ~ 伊勢雅臣著『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』から
開国から60余年で世界の指導的大国の一つに。この「明治の奇跡」を実現した先人たちの苦闘の跡をたどる。
■転送歓迎■ R07.12.07 ■ 85,687 Copies ■ 9,333,677Views■
過去号閲覧: https://note.com/jog_jp/n/ndeec0de23251
無料受講申込み: https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=172776
■1.日本の未来を担う子供たちに先人の偉業を知って、元気と志を得てもらいたい
花子: 伊勢先生の新しい本が出たんですね!
伊勢: そうなんだ。12月7日に『世界史に刻む明治日本の奇跡』という本が発売になった。
__________
伊勢雅臣『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』、育鵬社、R07
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594101755/japanontheg01-22/
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
花子: どんな本なんですか?
伊勢: 手短にまとめると、こういう内容だよ。
__________
極東の一角で鎖国をしていた幕末から、わずか60余年で我が国は国際連盟の常任理事国という世界の指導的大国の一つとなりました。
まだアジア、アフリカの大半が植民地、半植民地状態の時代です。この時代、先進国からの経済援助も、発展途上国を助ける国際機関もありませんでした。それどころか、欧米列強が隙あらば植民地を広げようと虎視眈々と狙っていた時代です。
その中で我が国は独立を維持し、しかも有色人種として世界で最初の近代国家をつくり上げたのでした。これこそ、世界史に刻んだ奇跡というべきでしょう。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
花子: わずか60数年で、そんなに大きく変わったんですね!すごいです。
伊勢: そうだろう。本書では、なぜこのような奇跡を我が国は成し遂げることができたのか、多くの幕末・明治の先人たちの苦闘の様を辿りつつ、この謎に迫っていくんだ。
花子: 難しい内容ですか?
伊勢: いや、人物中心の物語になっているから、中学生以上なら十分読めるよ。花子ちゃんにもぴったりだ。
花子: それなら読んでみたいです!
伊勢: 実は発売と同時に全国の学校や塾にも先着100校までのプレゼントを始めたんだ。なるべく多くの子供たちに読んで貰いたいと思ってね。日本の未来を担う子供たちが、我が先人たちの偉業を知って、元気と志を得てもらいたいと願っているんだ。(詳細は本編末)
花子: わかりました!先生に相談してみます!
■2.佐久間象山(しょうざん)~ 「開国攘夷」の構想者
伊勢: この本は、人物中心に、明治日本の奇跡がいかに実現されたのかを描いているので、本編でも何人かの先人を紹介しよう。まず最初は佐久間象山(しょうざん)だ。「幕末の志士たちのほとんどは、(佐久間)象山か横井小楠(次節で紹介)のどちらか(もしくはその双方)の門人だった」と言われているんだ。
花子: そんなに影響力があった人なんですね。
伊勢: 象山はアヘン戦争で、清国がイギリス艦隊に完敗したことから、「夷(えびす)の術を以て夷を制す」(欧米列強の技術をもって、欧米列強の侵略を防ぐ)と唱えて、自ら短期間にオランダ語をマスターし、オランダ語の百科全書を解読して、大砲、小銃、火薬の製造、写真機、電信機などを自作した。
鎖国したまま欧米と戦っても、清国みたいにコテンパンにやられるだけだ。開国して西洋の技術を取り入れ、それで強い国になって、独立を守るという「開国攘夷」路線を身をもって示した人だ。「攘夷」とは、独立維持のことなんだよ。明治政府が国家政策として進めた富国強兵、殖産興業の原型を個人で始めたんだ。
花子: 近代兵器や文明の利器を自分で実際に作ってみたんですか!すごいです。
伊勢: そうなんだ。象山はこう評価されている。
__________
確かに彼のプランは彼の手によっては実現できなかった。しかし明治の日本ではほとんど実現できた。(源了圓『佐久間象山』、吉川弘文館)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■3.横井小楠(しょうなん)~ 近代的統一国家の構想者
伊勢: 次は横井小楠だ。幕府の体制では、全国が約300の藩に分かれていた。こんなバラバラの状態では、富国強兵もままならない。まずは近代的な政府をもった統一国家をつくろう、と説いた人だ。
花子: 新しい政治や経済の体制を構想したんですね。
伊勢: 大政奉還を説いた坂本龍馬の「船中八策」も小楠の「国是七条」が下敷きだし、明治日本の国是「五箇条の御誓文」の起草者の一人、福井藩士・由利公正(きみまさ)は、小楠が福井藩を指導していた時の門人で、小楠の「国是十二条」の影響が強い。
明治維新は多彩な登場人物がそれぞれの役割を果たして、近代的統一国家を築いたんだが、彼らの背後で統一的な脚本を書いたのが小楠だった。
花子: 日本の未来のかたちを描いていた人なんですね!
■4.阿部正弘 ~ 高い外交能力で平和的開国を実現
伊勢: 開国攘夷路線を歩き始めたのが、幕府筆頭老中・阿部正弘だ。清国がアヘン戦争に敗れて強制的に自由貿易を強いられたのに対し、阿部は当時のイギリス-ロシアの世界的対立の中で、中立的なアメリカと穏健な和親条約を結んで、開国を実現した。その後、当時の国際的慣例として普及しつつあった「最恵国待遇」を活用して、欧米列強を相互に牽制させ、各国との平和的通商への道を開いた。
花子: アヘン戦争みたいにならずに済んだのは、阿部さんのおかげなんですね。
伊勢: その通り。同時に、長崎海軍伝習所(のちの海軍兵学校)、蕃書調所(ばんしょしらべしょ、洋学の人材育成、後の東京大学)、築地講武所(西洋式の大砲・小銃訓練、後の陸軍兵学校)を開き、開国攘夷の道を開いたんだ。
■5.鍋島直正 ~ 幕末に富国強兵を先導した佐賀藩の名君
伊勢: 次は鍋島直正だ。西洋列強の武力は、鉄製大砲や鉄製軍艦、鉄道など木材や石から鉄への素材革命、および、蒸気船、蒸気機関車など、水力・風力から蒸気機関へのエネルギー革命によって、成り立っていた。幕末の佐賀藩は、この二つの技術革命を藩独自で達成して、鉄製大砲の量産、蒸気船の開発に成功して、明治の富国強兵の基礎をつくったんだ。
花子: 佐賀藩がそんなに進んでいたなんて、知りませんでした!
伊勢: 幕末の時代に、こういう先人たちの努力があって、明治日本の奇跡への基礎が築かれたんだよ。
■6.板垣退助 ~ 国民の政治参加で強い国家を
伊勢: 次はいよいよ明治に入っての国づくりを見ていこう。まずは板垣退助からだ。
花子: 「板垣死すとも自由は死せず」って習いました!
伊勢: よく知っているね。でも、今日、自由民権運動は専制的な明治政府と戦った民衆の運動のように捉えられているが、板垣の言葉に耳を傾ければ、まったく違った彼の志が見えてくるんだ。板垣が目指したのは、国民が自由な志によって国を守る国民国家の建設だったんだよ。
花子: え? 政府と戦ったんじゃないんですか?
伊勢: 板垣は自由民権運動を志した原体験をこう語っている。天下の雄藩(有力な藩)と称(たた)えられていた会津藩で、忠誠を尽くして戦ったのは士族階級の5千人だけであり、一般の農民や町民は、みな敵側に味方したり逃げたりした。会津藩の武士がいかに精強でも、これでは藩全体としては強くなれない。
花子: なるほど…武士だけが強くても、藩全体は強くならないということですね。
伊勢: その通り。板垣はこう言っている。
__________
この時にあたって、我が帝国が独立して自ら強くあろうと望むならば、必ず上から下までが心を一つにし、国民が苦楽を共にし、国全体が一致団結して国の運営にあたらなければなりません。したがって今後は、断固として身分や特権の制度を廃止し、士族が権利を独占するのをやめて、四身分のすべての人々が等しく国を守る役割を担い、互いに喜びも悲しみも共にする道を開かなければなりません。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
花子: すごい…国民みんなで国を守ろうということなんですね。
伊勢: 板垣は「一君万民」という言葉をよく使っていた。国民すべてが、平等に政治に参加し、主体的に国のために尽くす。そのためにこそ、国民が自由に意思を表明する議会政治が必要だと。これが自由民権運動の志だったんだ。
花子: 教科書で習ったのとは、ずいぶん違いますね!
伊勢: そうだろう。先人たちの言葉を直接味わうことが大切なんだよ。
■7.伊藤博文と井上毅 ~ 国民のエネルギーを結集する大日本帝国憲法の起草
伊勢: 板垣と同じ志で、政府側で大日本帝国憲法をつくったのが、伊藤博文と井上毅だ。国家の自由と独立を維持し、欧米諸国の発展に追いつくためには、欧米諸国と同様に国民を広く主体的に国造りに参加させて、国民全体のエネルギーを結集することが必要と考えられていた。
しかし、欧米諸国以外で立憲政治に成功した国はまだなかった。立憲政治に失敗すれば、国政が混乱し、維新後の近代化の努力が水泡に帰すかもしれない。
花子: それは大変なプレッシャーですね…
伊勢: この危機感を抱いて、伊藤博文はウィーン大学の政治・社会学の権威シュタイン教授の指導を受けた。シュタイン教授は「日本の憲法は何より日本の歴史と文化に根ざしたものでなければならない。その上で、ヨーロッパで学んだ知識を接ぎ木していく事が必要だ、まず日本の歴史を研究せよ」と指導してくれたんだ。
花子: 外国の先生が、日本の歴史を大切にしろって言ってくれたんですね!
伊勢: そうなんだ。伊藤の部下・井上毅は国内で古事記や日本書紀の研究に打ち込み、「知らす」(天皇が鏡のような無私の御心に国民の思いを映し、その安寧を神に祈る)と「領(うしは)く」(国家を私物化する)という統治概念の違いを発見した。
花子: 「知らす」と「領く」…同じ統治でも、全然違うんですね。
伊勢: 「知らす」政治によってこそ、国民が自由に主体的に活躍する国家体制が築ける。欧米の学者も帝国憲法を高く評価した。この帝国憲法によって、明治日本の国家基盤が築かれ、国民のエネルギーを結集して、世界史的大躍進がもたらされたんだよ。
花子: 日本の伝統を大切にしながら、西洋の良いところも取り入れたんですね。すごいです!
伊勢: そういうことだ。単に西洋の真似をするのではなく、日本の国柄に根ざした憲法を作ったからこそ、成功したんだよ。
花子: 先人たちの知恵と努力、本当にすごいですね。
■8.「明治日本の奇跡」の原動力となった明治天皇の誓い
伊勢: さらに、殖産興業に尽くした渋沢栄一、国を支える独立国民としての気概を持たせるために『学問のすすめ』を書いた福澤諭吉、武士だけでなく国民全体で国を守る国民軍を実現した山県有朋、多くの政治家・軍人にそれぞれの担当分野で仕事をさせた大久保利通、日本海海戦で史上最高のパーフェクト・ゲームを成し遂げた東郷平八郎、、、これらの人々の苦闘が明治日本の奇跡を実現したんだ。
花子: わあ、聞いたことのある名前ばかりです!でも、こんなにたくさんの方々が、それぞれの分野で頑張っていたんですね。
伊勢: そうなんだ。しかし、これらの人々の志の原動力となっていたのは、明治天皇の日本の独立と民の安寧への祈りだったんだよ。
1912(明治45)年、明治天皇崩御の報が、英国に伝わるや、首相アスクィスは英国下院で次のような演説を行った。
__________
私は歴史上、日本の天皇陛下のように、一代の治世という短期間で、その国民ならびに世界の人類のために、これほど大規模で、かつこれほど必要不可欠な進歩発展を成し遂げられた君主の名前を挙げることができません。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
花子: イギリスの首相がそこまで言ってくれたんですか!
伊勢: 首相の演説は何度も満場の喝采を浴び、続いて野党も賛成演説を行って、明治天皇への追悼動議は全会一致で採択された。イギリスだけではない。欧米各国の新聞には、明治天皇の治世の偉大さを回顧する記事が無数に掲載されたんだよ。
花子: 世界中が認めていたんですね…
伊勢: 明治天皇はご即位の際に、「五箇条の御誓文」を発せられて、「万民保全」のために、「我が国未曾有(みぞう)の変革を為(なさん)」と、神々に誓われた。この誓いの結果が「世界史に刻まれた明治日本の奇跡」なんだ。
花子: そうだったんですね。明治天皇の祈りが、たくさんの人々を動かして、日本を変えていったんですね。
伊勢: その通りだ。一人ひとりの先人たちの努力も素晴らしいが、その背後には明治天皇の民を思う御心があったんだよ。
花子: 先生、この本、絶対に読みます!クラスのみんなにも勧めたいです!
伊勢: それは嬉しいね。ぜひ学校の先生に相談して、プレゼントに応募してみて。また、登場人物に関する感想文も募集しているよ。10人に1人、優秀感想文を選んで、千円の図書カードが贈られる。
花子: はい!ありがとうございます!
(文責 伊勢雅臣)
__________
■■■伊勢雅臣著『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』
学校・塾へのプレゼント■■■
学校、塾向けに、伊勢雅臣著『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』を先着100校に贈呈します。
★★送付先は学校・塾のみとし、個人の住所にはお送りできません★★
100校に達した時点で、受付終了とさせていただきます。
プレゼント申込み=> https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=751777
また、本書に登場する人物たちの感想文(200字程度)を募集中です。全国の小中高大学生、その他25歳以下の方に応募いただけます。
10人に1人を優秀感想文として表彰し、表彰状(PDFをメール送付)と図書カードNext(1000円、メール送付)を贈呈いたします。
感想文応募先=> https://1lejend.com/stepmail/kd.php?no=751779
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
■リンク■
・テーマ・マガジン「近代日本、荒海への船出」12編
鎖国を解いて、日本人は大船を作り、大洋を航海する技術を身につけます。それが、独立を維持し、世界の列強に伍してやっていく道でした。
https://note.com/jog_jp/m/m6ea37bf20070
■参考■(お勧め度、★★★★:必読~★:専門家向け)
→アドレスをクリックすると、本の紹介画面に飛びます。
・伊勢雅臣『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』、育鵬社、R07
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4594101755/japanontheg01-22/
■伊勢雅臣より
読者からのご意見・ご感想・ご質問をお待ちします。本号の内容に関係なくとも結構です。本誌への返信、ise.masaomi@gmail.com へのメール、あるいはブログのコメント欄に記入ください。
■編集後記
『世界史に刻んだ明治日本の奇跡』は4月頃から編集者の方と打ち合わせを始め、8ヶ月ほどかかって、ようやく出版に漕ぎ着けました。今の思いは、我々の先祖が当時の近代世界の荒波から国の独立を守り、国民の安寧を保とうと、必死の努力を続けてきた生き様を、1人でも多くの子供たちに知ってもらいたい、ということです。
それを知れば、子供たちは自ずから先人に感謝し、自分自身でも志を抱くでしょう。それによって、子供たちも生き甲斐のある人生を送れるし、それが「仕合わせ」(お互いに支え合う)の国をつくる道なのです。
そのために、今回は学校や塾への献本を始めました。当面100校でスタートしますが、本が売れれば、もっと拡大します。
一般読者の皆さんも、ぜひ学校や塾の先生にお知り合いがいたら、本メールを転送して、献本プロジェクトへの応募を働き掛けていただけたら幸いです。
教育とは、教師以外の誰でも何事かをなすことができる分野であり、また、そうしなければ良い教育は実現できません。献本への応募をお勧めする、そういう「一隅を照らす」行いが、1人の子供に敬愛する先人を見つけさせ、感謝と志をもって国の未来を明るくしていきます。
この記事へのコメント